下肢静脈瘤治療体験談
今日もスカートをはいて、子どもとお出かけです!
田口 恵さん(仮名)主婦 40歳代
ミミズが皮膚の下にいるようにウネウネと
もういつからでしょうか、左足に血管が浮き出てきたのは・・・。
たぶん、十数年前。一人目の子どもを生んでからだと思います。 当初は血管が少し目立ってきたなというくらいで、初めての子育てもあってか、さほど気にすることもなく生活していました。
それから数年後、二人目の子どもを生んでからは、徐々にその血管が太く、もっこりと、ミミズが皮膚の下にいるようにウネウネとしたものになってきました。
主人に相談してみたものの「一度病院でみてもらったら?」。 どこの病院にいけばいいのかもわからないまま、痛みも、かゆみもないので、そのまま数年がたっていました。
この浮き出た血管は病気だった
数年前、この浮き出てきた血管の病名を知りました。 主人がインターネットで私とよく似た症状が掲載されているホームページを見つけ、私に教えてくれました。
この浮き出た血管は病気だと知りました。ちょっとショック・・・。
下肢静脈瘤
初めて聞いた病名です。病名がわかったので時間を見つけてはインターネットで調べてみたのもこの頃です。 「治らない病気」。「外科治療が必要」。「血管を抜き取る」。 調べれば調べるほど、怖くなってきました。
子どもが小さいのに入院なんて治らない病気だけど、ホームページで説明している外科手術はイヤ。でも手術しないと治らない。
それに・・・、子どもが小さいのに入院なんて。 主人は子どもの面倒は大丈夫なんていってるけど、仕事のこともあるしたぶん無理。
心配ではあるものの、ホームページでいってるような、だるさや疲れ、むくみもないので、そのままにしていました。
ただ、浮き出た血管が目立つくらいで。 もう何年もスカートをはいてない。出かけるときは必ずパンツルック。
なんとなく、おしゃれにも気を使わなくなってきたような・・・。
レーザーで治療ができる?
またまた主人が見つけてくれました。 「下肢静脈瘤最先端レーザー治療」というタイトルの本。
主人は仕事柄本屋さんをよく利用するのですが、たまたまこのタイトルが目に入ってきたらしく、中身もよく見もせず購入したらしいのです。
さっそくその本を読んでみると、レーザーで治療ができると書いてある。レーザー・・・? 技術的なことはわからないながら、血管を抜き取ることはない手術らしいのです。
この手術のことが詳しく書いてあるホームページが紹介されていたので、主人と二人で見てみました。 下肢静脈瘤に関する膨大な情報がこんなにも。 数年前は下肢静脈瘤の情報がとても少なく、あっても手術の方法くらいしかありませんでした。
その日だけでは見きれないので、次の日にゆっくり見ることに。
りっぱな下肢静脈瘤です
本で紹介されていたホームページでは、ドクターに相談ができるようだったので、後々お世話になる先生へ症状のことや手術のことなどを質問してみました。
翌日、メールが届いていました。えっ!本当にメールが来た。というのが率直な感想でした。
しかも質問に対して丁寧に説明していただいて。 一度診察をしてみては?とのこと。
主人に携帯メールで確認してみたところ、土曜日だったら着いて行ってあげられるとの返事。
クリニックへ電話をしてみたところ土曜の午前中にみていただけることになりました。
予約をした日、娘たちを連れクリニックへ。待合室で緊張しながら待つ私。主人も娘たちも緊張している。
ほどなく診察室に呼ばれ、二人の娘としばしの別れ。 診察室には笑顔のドクター。本で見た顔だ。本物だ・・・。緊張もピークに。
その日はジーンズでいったので、カーテンで仕切られた診察室で診察用のショートパンツにはき替え、いよいよ診察となりました。
診察は、血管の状態を調べることができる装置で足全体の血管の様子を見たようで、先生からは笑顔でりっぱな下肢静脈瘤ですと言われ、ちょっと不思議な感覚に。
診察が終わり、血管の状態、レーザー治療の方法、レーザー手術を希望する場合の手続きなどを詳しく説明していただきました。
待合室に戻り、主人に説明をすると体に負担のない手術した日に帰れる手術だったら即手術をしなさいとの反応。
でも、手術は手術。 ちょっと不安は残るものの、主人に背中を押された感じで受付で手術の予約をとりました。
もう歩いていいの?
手術当日。この日も少々緊張ぎみの主人と娘たちに付き合ってもらいました。 診察室で体の状態を調べ、手術可能と判断が。
いよいよ手術室へ。かなり緊張していた記憶があります。 手術台に寝かされ、体の角度調整をし、目をタオルで覆われ、いよいよ手術に。
先生やスタッフの方たちは、手術の準備をしているようす。しばらくして浮き出た血管あたりでしょうか、部分麻酔を注射されました。チクッ。
その後は、何か左足の方で作業をしている雰囲気はあるものの痛みもかゆみもありません。
手術は無事終了しましたと先生から声をかけられ、感覚的には長い時間を過ごした感じはするものの、時計を見ると手術室に入って35分しかたっていませんでした。
その後、ものすごく圧力のかかるストッキングをスタッフの方にはかせていただき、着用後そのまま歩いて再度診察室に。
先生から改めて無事手術が成功したことを伝えられ、今日からのしばらくの間のストッキング生活の説明を受けました。普段の生活で手術箇所に違和感が無ければ、もう来院しなくても大丈夫とも。
えっ!もう終わりでいいの?これで治っちゃったの? 待合室で待っている少々待ちくたびれた主人と娘たちの前に行くと、目を大きく見開いた主人が「もう歩いていいの?」と。
「大丈夫みたいよ。ただストッキングがちょっとキツイかな。痛みもぜんぜんない。」
帰り際、先生が受付に顔を出して「何かあったら電話してくださいね。」と、笑顔で見送っていただきました。
浮き出た血管はここにあったの?
ここは、病院近くの遊園地。娘たちは、以前診察に来たとき、となりに後楽園があるのを知ってしまいました。
私の様子がいつもとあまり変わらないのを見て、東京ドームシティにちょっとだけ行きたいと主人に交渉しています。 主人は私のことが気になるらしく、娘の交渉に難色を示している様子。
「私なら大丈夫。」
交渉事は娘たちの勝利に。少しだけという条件付で、車に乗り込み東京ドームシティーへ。遊園地で私はベンチに座ってアイスコーヒーを飲み、主人と娘たちが遊んでいるのを眺めていました。
帰宅後、手術のことが気になりストッキングを脱いでみました。その段階では良くなったのかわかりにくい状態でした。
二日後の月曜日。やはり良くなったのかがわかりにくい状態でしたので、その日の午後、クリニックに電話をしてみました。
先生は「心配なさらずひと月様子をみてください。徐々に馴染んでくる感じできれいになりますよ。」と。
ひと月後、先生のおっしゃるとおり浮き出た血管はここにあったのかという状態に。
さて、今日もスカートをはいて、子どもとお出かけです!